トランクひとつで生きていく

こんにちは。おさべあいです。パーソナルスタイリストをしています。

 

1999年から2016年まで17年間、レディスアパレルで販売員をしていました。

 

販売員さんっていつも服が違うでしょ?

 

どれくらい服を持ってるのかなって思いません??

 

量はもちろん人それぞれだと思うけど、わたしは毎週新作を買ってました。

 

元いた会社はそのとき販売している自社ブランド製品を着用するのがルールでした。

 

そして原則として品切れしたらもう着られないのです。

 

だってお客様に「お姉さんが着てるのはどれ?」と聞かれたときに「お品切れです」では失礼だから。

 

ということで毎週新しいコーデを少なくともひとつは買うというのが、わたしの平均でした。

 

そこへきて、当時のわたしは服を捨てるということは一切してなかった。

 

毎週2〜3着増える。でも捨てない。

 

十数年間、毎年100着近く増え続けるってことです。

 

コーディネートですから、そこに靴、バッグ、靴下やタイツ、ストール、帽子など小物だって増えますよね。

 

そしてわたしは『片付けられない女』

 

どんな部屋になるのか想像してみてください。笑

 

 

服に占領される部屋

 

 

六畳一間の一人暮らしの部屋は服に覆われていました。

 

まぁひどかったですよ。笑

 

家の中では元に戻せない性質なので、脱いだらそのまま部屋のあちこちに文字どおり積み上げちゃうのです。

 

クローゼットには毎年買うコートがパンパン。

 

溢れる洋服を収納するために買ったケースには去年までの服、タイツや靴下、下着やらがパンパン。空いてるスペースには小物が散乱。

 

バッグは床に置きっぱなし。

 

クローゼット以外には服を掛けるラックにはハンガーに掛けきらない洋服が次から次への重ねられ、椅子の背もたれや掛けられる場所があればあちこちに山ができてました。

 

積み上がった山の下の方には何があるのかもう覚えてないし、掘り返すのも大変だしもう見たくもない。

 

だから、いろいろ服は持っているくせに何か用事があると「着る服がない」と言ってまた新しい服を買いに行ってました。(悪循環)

 

いつも「着る服がない」と言ってました。

 

靴はボックスに入り切らないから玄関に出しっぱなし。一人暮らしなのに「大人数のお友達来てますか?」というくらいぎゅーぎゅーに並んで隙間なし。

 

最悪なときはベッドにも散乱して、その服をぎゅーっと脇に避けて寝てました。

 

「どうせ寝るだけだし」って。

 

最初の何年かは綺麗にしてたんだけど、昇進するにつれ仕事が忙しくなり部屋で過ごす時間も少ないし、自分の生活について考えることなんてほとんどなくなって。

 

友達も家に呼ばなくなってからどんどんひどくなりました。

 

あの頃の部屋の写真を撮っておけばよかったな。

 

ネタとしてすごく面白かったと思うんですよね。

 

 

きれいな部屋って気持ちがいい

 

そんなわたしが38歳のころ、夫と出会い付き合いはじめました。

 

彼の部屋に遊びに行って衝撃!部屋がめちゃくちゃキレイ!!

 

無駄のないきれいさというより、すっきりはしてるけど好きな雑貨なんかも置いてあたたかく整っているという感じでした。食器も好きなもので揃ってたり。

 

「好きなものだけ持ちたい」

 

彼のその気持ちががよくわかるお部屋でした。

 

当時はそんなお部屋の彼をわたしは一度も自宅に呼びませんでした。

 

だって片付けるのも面倒だし(たぶん一週間はかかる)、だからといってそのままを見せる勇気なんてありませんでしたから。

 

彼の部屋の居心地の良さと仕事場へのアクセスの良さもあり、わたしは彼の部屋に入り浸ることになります。

 

片付いてる部屋って気持ちいい!
ものが少ない家ってなんて気持ちいいんだ!

 

片付けの本はそれまで何冊も読んだけど何度も挫折を繰り返していたわたしは、この体感がじわじわと効いてきました。

 

 

トランクひとつでどこまでいけるか

 

 

飛行機の機内に持ち込めるサイズのトランクひとつ、あなたなら何日間の旅行に持っていきますか?

 

ちょっと考えてみてください。

 

3日?
一週間?
二週間?

 

夏の1ヶ月間をこのトランクひとつで過ごしてみたことをお話ししますね。

 

あるとき仕事の関係で、彼の家からとても近い場所で1ヶ月間イベントがあり、彼の家から通わせてもらうことになりました。

 

機内持ち込みサイズのトランクに必要なものは詰め込み、1週間に1度くらい自宅に帰ることをイメージしてました。当初は。

 

アパレル販売員ですからおしゃれをすることは基本。

 

さすがに何か足りなくなるだろうから、それはそのとき家に取りに行けばいいやと。

 

それが、1ヶ月が過ぎフタを開けてみると一度も自宅には帰らなかったんです。

 

帰る理由がなかった。

 

毎日おしゃれは手を抜かなかったし、快適に楽しく過ごせてました。

 

あれ?自宅にある洋服やその他のものってなんなの?

 

1ヶ月帰らなくても何も不足がなかったけど、家賃払って洋服置いてるだけのあの部屋ってなんなの?

 

 

なきゃないでなんとかする

 

 

わたしが生きていくのに必要なものってそんなに多くない。

 

なきゃないでなんとかなるし、なんとかしようとする。

 

むしろ自分の創造性がものすごーく発揮される。

 

この体験での気づきはなかなかの衝撃でした。

 

それと同時に自信にもなりました。

 

持ってる服を最大限に活かして使いきること、同じ服でも組み合わせを変えたり髪型やアクセサリーで変化をつけて飽きないようにできること。

 

わたしにはその手法がものすごくたくさんあったんです。

 

おかげで毎日似たような服を着ていてもものすごく楽しかった!!

 

そしてそれは逆に、服にだけ頼って飽きたら買うことを繰り返してきた自分にも気づきました。

 

新しい服を買えばなんとかなるって。

 

自分の気分を上げるために自分でなんの工夫もせず、お金を払うことですべてを解決しようとしていたなって。

 

それをやりつづけていたから自分の着回し力とコーディネート力を自覚できずにいたけど、十数年の販売員経験ってやっぱりすごかったんです!!!

 

お客様には「これでもか」と提供していた力を、自分には使えてなかったんですよね。

 

それが、自分の服を最低限にすることで気づけたんです。

 

あるものでなんとかする力がわたしにはある。

 

「無いから買う」を繰り返していたことで、自分にはちゃんと「ある」ということが見えていないだけでした。

 

この体験が今の活動や生き方の根底にあります。

 

トランクひとつで生きていける。

 

1ヶ月いけるなら数ヶ月は大丈夫!笑

 

持ってるものをまずは見よう。

 

そしてそれを活かす方法を試してみよう。

 

洋服も、自分自身のことも。

 

 

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長部愛

毎日クローゼットを開けるのを楽しくなる人が一人でも増えれば良いなと思い活動しています。
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